二人が川からはなれて、尾根(おね)(くだ)ってゆくと、地震(じしん)がおこりました。大きな木がゆっさゆっさとゆれます。二人はこわくなり、そら君はまめ君をしっかり()きかかえました。(さいわ)い、たいしたこともなくすぐ(おさ)まりました。そして歩き出すとすぐに、人家(じんか)のあるところに出ました。

 

(たす)けてくれーい!」

 

またまた人の声がします。見ると、家が(たお)れて(てつ)パイプの下におじいさんが下敷(したじ)きになっています。家はさっきの地震(じしん)(たお)れたのでしょう。

 

(ぼう)やたち、ちょうどいいところに!そのチェンソーでこの鉄パイプを切ってくれんかのう?」

 

そら君とまめ君は顔を見合わせました。二人は知っていました。チェンソーは木は切れるけど、こんな太い鉄パイプなんか切ったら、(こわ)れてしまいます。お父さんとお母さんの(いのち)がかかっているのです。でも、このおじいさんも(ほう)っておいたら()んでしまうでしょう。

 

 

 

さて、二人はどうしたと思いますか?

 

おじいさんを見捨(みす)てた。

 

おじいさんを(たす)けた。