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二人がウサギが襲われるところをじっと見ていると、狐がやってきて言いました。
「ありがとう、お二人さん。私には子供が6匹いて、みな食べ盛りなんだ。たくさんウサギをとって、食べさせないと生きていかれないんだよ。ささやかだけど、見逃してくれたお礼をするよ。私の家に来てお肉をいっしょに食べるかい？」
二人のおなかがグーとなりました。
「うん！」
そら君とまめ君がうなずくと、狐は
「ではこっち！」
と二人を背中に乗せて巣まで連れてゆきました。小川のせせらぎをわたり、ヤマボウシの花の散り敷く木立を抜け、岩が転がる森の奥深くに、狐の洞穴はありました。狐がウサギの肉を落とすと、
「わーい！ママだ！おかえり！」
子供たちが6匹出てきて、ウサギの肉にむしゃぶりつきました。そら君とまめ君もごちそうになりました。生肉を食べるのは、初めてですが、おなかのすいた二人にはぷりぷりしてとてもおいしいものでした。狐が言います。
「最近この森の水源が枯れてきましてね。虹色のドングリがあれば、それを埋めて、水源になる大きな木が育つんですがねえ。」
「虹色のドングリ？」
「あげようよ。」
まめ君がそら君のそでを引っ張りました。そら君も、うなずきました。
「はい、これ虹色のドングリ。」
「ありがとうございます！いや～助かったなあ。」
「どういたしまして。」
二人が去ろうとすると、狐は木の芽のいっぱいついた節くれだった木の枝をくれました。
「ドングリのお礼です。杖にしてください。」
「ありがとう、じゃあね！」