このページを選んだ人は緑ポイント1点ゲット!

 

 

 

(くま)さん」

 

まめ君は(おそ)る恐る熊に(こえ)をかけました。

 

(ぼく)たちにその柿の実をくれませんか?おなかがすいているんです。」

 

熊は、ゆっくりとふりむいてこっちを見ました。やさしい()でした。

 

「ごめんね、ぼうやたち。(わたし)には病気(びょうき)の子供がいるの。柿の実をたくさん食べないと生きていけないのよ。」

 

優しいまめ君はうつむきました。熊のこと僕たちの命…どちらが(おも)いだろうか。まめ君はそんなことを(かんが)えてしまうのです。

 

仕方(しかた)ないか…僕たちも(いのち)がけなんだ…」

 

そら君はさっきもらった木の枝をそろそろと持ち上げ、戦おうとしました。その時です、熊が(さけ)びました。

 

「その木!その木の芽、私にくれない?子供の病気に一番(いちばん)()(くすり)なの!」

 

「え?」

 

そら君とまめ君はびっくりしました。

 

「その木の枝をくれたら、柿の実はあげるわ。」

 

「やったー!」

 

まめ君が叫びました。

 

「ありがとうね、坊やたち。」

 

熊は木の枝をくわえて去りました。二人は柿の実をお腹いっぱい食べ、まめ君のリュックに入るだけの3つの柿の実を持って(ふたた)び歩き出しました。

 

 

次へ